
世の中を 幸や不幸で はかれるものでしょうか
はじめてこの本を手にしてから かれこれもう20年以上は経過していますが、ラストを読んだ時のあの衝撃と感動は今でも鮮明に覚えています。
もうね、涙が・・・涙が止まりませんでしたよ。
お話の内容は、主人公の幸江という幸薄い女性と、一緒に暮らす大好きなイサオとの日常生活。
この漫画、というか作品は 四コマの域をこえ、壮大な映画を見終わった達成感を満たしてくれます。
決して明るいばかりの内容ではないです。
けど嫌な感じばかりの内容でもないです。
色々あっても存在するだけで人は尊い存在なんだなって思います。life is beautiful
作品でも 幼少期の幸江は「私は私が嫌い」でした。そしてお友達に「私を愛して」もらおうと頑張っていくのです。
思春期に入り、幸江も周りも大人になっていくに従い 幸江の良さを認めてくれる人も増えていくのですが、相変わらず幸江は自分が嫌いです。
そして終盤、幸江は 自分は始めからずっと幸せだったことに気づいていきます。
先日、リリー・フランキーさんが吉田豪さんのインタビューで
「鬱は大人のたしなみですよ。それぐらいの感受性を持ってる人じゃないと俺は友達になりたくない。こんな腐った世の中では少々気が滅入らないと。社会はおかしい、政治は腐ってる、人間の信頼関係は崩壊してる、不安になる。正常でいるほうが難しい」
とお話しされていた記事を、読んだ時には 正直ピンときませんでした。
しかし今回この作品を改めて読み直したとき、私の頭の中にふと上記の意味が腑に落ちたのです。
この作品は正直、決して万人ウケするものではないかもしれません。(名作であるのは確かですが)
画のタッチのクセ、四コマ漫画という形式、内容も青年誌向けというか 割と大人のリアリティ剥き出しで決して笑って楽しむような部分ばかりでもなく モヤっとする部分も剥き出しで。
途中までは読むのもちょっとしんどいなって思ってたんですけど、読み進めるうちに 中盤からどんどん引き込まれていきました。最後はもう一気見。
いや、もう読んでない人 読んで笑。読んだほうがいいよマジで。それしか言えない。
この作品の素晴らしさに気づき、家に置いてた友達とは 多分この先もずっと心の奥で繋がっているような気がしてます。(たまたま友人宅に転がってた漫画を読んだというだけのことなんですけどね・・)
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