『マッチポンプ売りの少女』― 流行は作られるもの


むかしあって、これからも起こるお話。
で始まる 謎の著者「マネー・ヘッタ・チャン」の童話シリーズの一つ。
今からもう14年前に販売された本です。
お話に出てくる時事ネタや、モデルとされているであろう人物たち(名前はもちろんパロってますけど)は時代と共に風化している部分もあるかもしれません。
が、冒頭の文章「むかしあって、これからも起こるお話。」という通り 根本的な部分というのは 今も昔も変わっていないようです。
流行は偶然ではなく、仕組まれる。自分で着火し自分で消化(マッチポンプ)

カーリーとピンカーンは、夜の街角に貼られた巨大ビジョンを見上げていた。
そこには、人気K-POPアイドルが新しいぬいぐるみを抱いて笑っている姿が映し出されている。
それが「チャイラブブ人形」だった。

あっ!ピンカーン見て!あの子、変な人形抱いてるよ。



なんかK国のアイドルの子が最近お気に入りの人形だって言ってたの
最近SNSで見た気がするよ。
たしか“チャイラブブ”って呼ばれてかな。



ふーん。ちょっとブサカワ?
数時間後、SNSはチャイラブブの画像で溢れかえった。
セレブが旅行中に、俳優がパーティー会場で、インフルエンサーが部屋で──
みんなこぞってチャイラブブを抱えて投稿している。



火がつくのは一瞬だよ。マッチみたいに。
誰もその後どうなるかは考えないけどね。
流行というものは、自然発生的に見えて 実は多くが仕組まれたものです。
ファッション業界から炎上商法、広告キャンペーン、インフルエンサーの発信…。
どれも「人々が飛びつく仕掛け」を 事前に準備したうえで展開されます。
そう、平賀源内の「丑の日の鰻」から 今朝テレビで流れていた最新のトレンド情報まで
「むかしあって、これからも起こるお話。」
少女が売るマッチに火を付けると 見えてくる「マッチポンプ」のカラクリ
流行のサイクル
- 「これから流行らせたい流行」を作る(マッチで火をつける)
- 火は一気に広がり、人々が飛びつき、誰かがそこから利益を吸い取る
- やがて飽きられ、火は下火に
- 「次に流行らせたい流行」のマッチを擦った誰かが、今までの流行はもう古いと啓蒙。(ポンプで火消し)
この繰り返しこそ、現代のファッション・エンタメ・SNSトレンドの基本構造です。


🔥 現代のマッチポンプ事例
SNS炎上商法
- 仕組み:わざと過激な発言や問題行動をして炎上 → 大量のアクセスやフォロワーを獲得
- → その後「謝罪動画」「釈明配信」でさらに注目を集める。
- 結果:批判されても、最終的には広告収入や商品販売につながる。
流行に乗っかっても すぐにハシゴを外されちゃうからね
流行ったモノを否定して、流行ってないモノを流行らせれば、人はモノを買い続ける。P59





私たち、知らないうちにその火にあおられてたんだね!



自作自演乙って笑
他にも色々な童話が アナタにお金にまつわる怖い話を教えてくれますよ。


気になる方はこちらからどうぞ
他にもこんな本もありますよ。


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