
「アート・オブ・スペンディングマネー」(The Art of Spending Money)著書:モーガン・ハウセル 2025年11月初版
🌟 この本の5つの魅力
① お金の話なのに「数字」がほとんど出てこない
多くのお金の本は、利回り・年収・資産額・成功者の数字が並びます。
しかし著者のモーガン・ハウセルは、この本の中でほとんど数字を使いません。
この本はいわゆる「節約本」でも「投資本」でもありません。
代わりに出てくるのは、
- 人はなぜ絶えず「もっとお金が必要だ」と思い、不安になるのか
- なぜ同じ収入でも幸せな人と不幸な人がいるのか
- 人間は合理的な生き物ではない
というお金を「感情の問題」として扱っている、言ってみれば
私たちのお金に対する「無自覚な反応」を解説する本です。
② 「正しいお金の使い方」を教えない
一般的に、お金に関する本では「こう使うべき」「これはムダ」と結論を出します。
でもこの本は違います。
お金の使い方は価値観であり、他人が評価できるものではない
そう、お金をどう使うか(スペンディング)は、一人一人の「アート(芸術)」なのです。
高級品を買う人も、節約する人も、その人が納得しているなら それがその人の正解だということです。
※お金の使い方に普遍的な公式やルールはない。P2より
③ “成功者の真似”をやめさせてくれる
多くのマネー本は、「この人のようになろう」と煽ります。
でも著者は、真逆のことを言います。
- 成功者の裏側は見えない(裕福=満足とは限らない)
- 生存者バイアスだらけ(成功した人だけを見て、そのやり方が正しいと勘違いしてしまう)
- 真似しても再現性は低い(成功者は「結果が出たあと」に美化され運・時代・偶然の要素が切り落とされる)
だから必要なのは、「勝ち方」ではなく「自分が壊れない設計」。
この視点はかなり現実的で、経験を重ねた人ほど刺さります。

ヨソはヨソ。ウチはウチ
④ お金=自由という定義が腑に落ちる
「自由のためにお金を使う」という話はよく聞きますが、この本はとても具体的です。
- 嫌な仕事を続けなくていい
- 逃げ道を持てる
- 選択肢を残せる
派手じゃないけど、自分の人生の主導権を 自分自身に取り戻す感覚がリアルに伝わります。
読み終わると「もっと稼がなきゃ」より「守れてるか?」と考えるようになります。
⑤ 読後に”静かな自信”が残る
この本はテンションを上げません。成功も約束しません。
でも、他人と
- 焦らなくていい
- 比べなくていい
- 自分の基準でいい
という静かな安心感を残してくれます。
だから、
✔ 投資で疲れた人
✔ お金の情報に振り回されている人
✔ 人生の後半を考え始めた人
ほど、深く刺さります。
😰 気づきにくい「満足度の低い支出」
大きな浪費よりも厄介なのが、
**「なんとなく続いている支出」**です。
- 付き合いでの出費
- 惰性で払っているサブスク
- ストレス解消のつもりの買い物
金額は小さくても、積み重なると満足度だけが削られていきます。
筆者は言います。
良い支出かどうかは、金額ではなく「後悔が残るか」で決まる
あとから思い出して
「やってよかった」と思えるかどうか。
それが一番わかりやすい判断基準です。
お金の使い方は、その人の価値観そのもの。
他人の正解を真似ても、満足は生まれない。
- 物にお金を使う人
- 体験に使う人
- 安心のために貯める人
どれも間違いではありません。
問題なのは、自分が何に幸せを感じるのかを考えずに使うことです。
🕊️ お金で買える一番価値のあるもの
この本の核心は、とても静かな一文にあります。
お金で買える最大の価値は「自由」だ
- 嫌な選択をしなくていい
- 無理な人間関係から距離を取れる
- 自分の時間を自分で決められる
派手な消費よりも、
人生の主導権を守る使い方が、あとから効いてきます。
🛡️ 「増やす」より「壊さない」という考え方
多くの人は、お金を
「どう増やすか」ばかり考えます。
でも著者が重視するのは、
生活と心が壊れないこと。
- 眠れなくなる投資をしない
- 最悪の事態でも生活が続く
- 不安を増やさない設計にする
利回りより安心感。
これも立派な、お金の使い方のセンスです。
✨ まとめ|この本の本当の面白さ
この本の面白さは、
❌ すごいテクニック
❌ 一発逆転の方法
ではなく、
✅ お金との距離感が整う
✅ 不安の正体がわかる
✅ 自分の選択を肯定できる
ところにあります。
お金の本なのに、読後は「人生の本」を読んだ感覚が残る。
それが『アート・オブ・スペンディング・マネー』の最大の魅力です。
お金は、評価されるための道具ではありません。
自分の人生を穏やかに、豊かにするための道具です。











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