スタイリング剤(ミスト・クリーム・トリートメントなど)を素髪に仕込むことで、
ヘアスタイルの仕上がりをよりスムーズに進めることが可能です。
髪の基礎化粧
前回のページでも、くせ毛や天然パーマのスタイリングを「メイク」に例え、その前に「基礎化粧」で
肌を整えるのと同じように、髪にも「下地」が必要であると説明させていただきました。
この考え方の詳細は以下の通りです。
• 顔のスキンケアの例え
通常、化粧をする際には、肌に直接ファンデーションをつけるのではなく、化粧水、美容液、乳液といった基礎化粧品で肌をしっかり整えてからメイクを行います。これは、肌の状態を良好に保ち、メイクのノリを良くするためです。これと同様に、くせ毛や天然パーマは直毛に比べてデリケートな構造をしているため、いきなりスタイリング剤をつけるのではなく、「下地」を使って毛髪の状態を整えることが非常に重要です。
この「下地」を髪につけることで、髪の保湿と保護が行われ、その後に使うスタイリング剤が髪にしっかりと作用するようになります。また、下地は髪の乾燥やダメージを防ぎ、くせ毛をより扱いやすくする効果も期待できます。
「下地」として使えるアイテム
具体的に下地として使用できるアイテムとしては
・ヘアミスト
・ヘアクリーム
・リーブインコンディショナー(洗い流さないトリートメント)などが挙げられています。
比較表
アイテム名 | 用途 | 使用感 | 目的 |
---|---|---|---|
ヘアミスト | 香り付け、紫外線・静電気対策、保湿、スタイリング補助 | 軽い、サラサラ、ベタつかない、ふわりとした香り | 髪の潤い・香り付け、パサつき・広がり抑制、外的刺激対策 |
ヘアクリーム | 保湿補給、コーティング、ツヤ・まとまりアップ、ダメージ補修 | しっとり、なめらか、自然なツヤ、柔らかい指通り | 乾燥・広がり・パサつき防止、まとまり・ツヤ、柔らかく整えたい時 |
リーブインコンディショナー | 保湿、ダメージケア、熱保護、指通り改善、スタイリングベース | 軽め〜ややしっとり、なじみ良い、ベタつき少なめ、柔らか仕上がり | ダメージ・乾燥・広がり対策、やわらかさ・光沢アップ、扱いやすさ向上 |
その他アイテム
ヘアオイル
髪をコーティングして保護し、ツヤ感を与え、ボリュームを抑える補助的な役割で使用されます。特に乾燥が原因のパサつきが気になる髪におすすめです。シャンプーとトリートメントだけでは潤いが足りないと感じた場合に、最後に少量プラスするのが効果的です。髪の毛の内部にできた空洞(ダメージホール)を埋めることで、湿気を吸ってうねりや広がりが出るのを防ぎ、ツヤのある髪に仕上げる手助けをします。
◦ 注意点: 使用量が非常に重要で、多すぎると髪が重たくなったり、ベタついたりして、かえってクセ毛やうねりが悪化する可能性があります。粘度の低いサラサラとしたオイルは、ドライヤー前の熱からの保護に役立ちますが、一般的なヘアオイルは高温のヘアアイロンやヘアドライヤー使用前の塗布はダメージにつながる可能性があるため推奨しないという意見もあります。粘度の強いオイルは、ドライヤー後にコーティングとして使用し、就寝時の摩擦を防ぐのに適しています17。
基礎化粧の後のメイクアップ用品
ヘアムース
髪にボリュームを与え、ふわっとした軽い仕上がりにするのに適しています。泡状で髪になじませやすく、短めの髪や毛量の少ない方におすすめです。
ただし、ダメージヘアや細かく縮れた髪(縮毛)の場合、アホ毛(浮き毛)が出やすいデメリットも指摘されています
ヘアジェル
艶感のあるくっきりとしたカールを出し、ホールド力を与えるのに適しています。
海外では天然パーマのくっきりとしたカールを出すスタイリングで主流とされており(カーリーガールメソッド)、強いくせ毛におすすめです。水分とジェルの両方の特性を持つ製品もあります
これらの下地アイテムを、タオルドライ後の髪に適量を手に取り、髪全体になじませてから、自分の髪質に合ったスタイリング剤を適切な量で使うことが推奨されています。
これらを使い、顔の肌を整えるように髪も事前にケアすることで、くせ毛の魅力を最大限に引き出し、より美しいヘアスタイルを楽しむことができるというわけです。
このほかヘアオイルなど、ご自分の髪の状態や使用するタイミングを考慮した上でプラスすることも可能だと思います。
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